Google社がSkypeを買収しない理由

MicrosoftによるSkype買収ニュースが発表された後、Googleが過去skype買収を検討し、結局未実施になったという記事がでていた。

Microsoft社がルクセンブルクSkype Technologies社を85億ドルで買収する見通しだが、これはMicrosoft社にとって過去最大の買収額だ。

http://wiredvision.jp/news/201105/2011051121.html

この中で、「もしGoogle社がSkypeを買収したら、Skypeのプラットフォーム全体を書き替えなければならなくなる」、「Skypeの買収には、米司法省か米連邦通信委員会(FCC)、あるいはその両方を交えた、政府による徹底的な調査過程が伴う。」点が大きな問題と記載されている。

さて私は、上記以外の点でgoogleが買収を行わなかった理由があると思う。


それは、既にgoogle talk保有しているため、買収してもシナージが見いだせないと思われる点である。


さて現状のskypeの強みとして大きく、以下3点があげられると思う。

  1. 普及率と知名度の高さ対応プラットフォームの多さ
  2. 低コストと相応の安定性
  3. 細い回線でも高音質

さて、3番目の高音質を支える技術として音声コーデックのGIPSの寄与が大きい(もしかしたらあまり知られていないかもしれないが)。

Skypeは音声コーデック(*12)に、Global IP Sounds(GIPS)社の「VoiceEngine」を採用している。GIPS社のコーデックは、クライアントにインストールして使うDSPベースのVoIPソフトウェアコンポーネントで、高度なバッファリング技術を備えている。

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0505/30/news070_4.html

しかしながら、このGIPS社すでにGoogleに買収されていたはず。

Googleの子会社Google Acquisition Holdingsが公開株式買付により、Global IP Solutions(GIPS)の全株を1株当たり $2.12(2ドル12セント)で買収する。

http://jp.techcrunch.com/archives/20100518google-to-buy-global-ip-solutions-for-68-2-million-in-cash/

そう考えると、すでにgoogle talkをもっているgoogleとしては、やはりskypeを買うメリットがあまり見いだせないと思われる。


今後、シェアを取りに行く場合、1番に注力すればよいのだから。(2番目の低コストと安定運用はもともとgoogleの強みだし)