Intel「Atom」シリーズを終了するとアナウンスして半年、Apollo Lakeをリリース。

Intelが「Atom」シリーズを終了すると打ち出してから半年。

筆者は、このニュースを聞いた時、Atom搭載の格安のタブレットやノートPC、格安デスクトップは消滅するのかと、思っていたけど、半年経ってみるとApollo Lakeをリリースするなど、Atomシリーズが完全に廃止になる状況ではない模様。

Intelは、2016年4月19日(米国時間)に発表した大規模な人員削減計画を進めていく中で、これまで苦戦が続いていた「Atom」シリーズを終了することにより、スマートフォンタブレットなどモバイル機器向けのSoC市場から撤退していく考えであることを明らかにした。廃止予定のAtomチップとして、「SoFIA」「Broxton」「Cherry Trail」(いずれも開発コード名)などを挙げている。

Atomシリーズを終了:Intel、モバイル向けSoC事業を廃止 (1/3) - EE Times Japan

2016/09/07の時点で、“Apollo Lake”のリリースニュースが流れている。リリースされたPentium® Processor N4200は、CPUコアも強化しており、格安のノートPCに搭載されると考えられるため、当面格安のノートPC、格安デスクトップは残っていきそうと一安心。しかも、“Goldmont”は命令のデコード能力を従来の2→3命令に強化*1しており、相当大きな改良が入っていると思われる。

Apollo Lake”はエントリーレベルのタブレットやコンピュータ用として開発された第2世代の14nm SoCである。従来、これらの市場にはAtomブランドの製品が展開されていたが、“Apollo Lake”ではPentiumおよびCeleronのブランドが使用される。

Apollo Lake”に使用されるCPUは“Goldmont”と呼ばれ、“Braswell”世代から30%の性能向上を実現している。

北森瓦版 - “Apollo Lake”がひっそりとローンチされる

また、車載専用SoCとしてAtomを位置づける発表を行っており、特に、車載は市場が成長方向にあるため、デザインウインを確保できれば、長期の供給が求められる関係上、Atomシリーズが長く続くとも考えられる。まあ、IoTデバイスと言ってるのはご愛嬌ぐらいに思えばよいかと。

そのおまけとして、タブレットやノートPCにチップを供給してもらえると個人的には嬉しいなあ。

Intel Corporation(本社:アメリカリフォルニア州)は2016年10月25日(現地時間)、Apollo Lake世代のIoTデバイス向けSoC「Atom E3900」シリーズを発表した。なお、同時に車載専用SoCとして「Atom A3900」シリーズも発表。こちらはADAS(先進運転支援システム)やデジタルコクピット向けで、2017年第1四半期に出荷が開始される見込みだ。

Intel、GPU性能が約3倍に向上した“Apollo Lake”世代のIoT向けSoC「Atom E3900」シリーズ発表 - エルミタージュ秋葉原

(16:40追記)
ちょっと調べていたら、既にApollo Lake搭載のファンレスMini-ITXが発売されていた。

製品ラインナップは、最上位プロセッサPentium J4205(4コア / 定格1.50GHz / バースト時2.60GHz / キャッシュ2MB / TDP10W)を搭載する「J4205-ITX」と、Celeron J3455(4コア / 定格1.50GHz / バースト時2.30GHz / キャッシュ2MB / TDP10W)を搭載する「J3455-ITX」の2種。

Apollo Lake搭載のファンレスMini-ITX、ASRock「J4205-ITX」など2種21日発売 - エルミタージュ秋葉原